5分でわかる「経営理念と経営戦略」

先述の通り企業は自らを取り巻く様々なものに影響を受けるが、それらに対し単に受動的に反応するだけでなく企業理念や企業ビジョンに沿って能動的に行動することが求められる経営理念や経営ビジョンは企業の存在意義や使命を普遍的な形で表したものであり、経営戦略はそれを具現化するための基本的な枠組みである。

よって経営戦略は経営理念や経営ビジョンとの一貫性を持たせることが重要となる。

①経営理念

経営理念とは経営者もしくは企業が表明するその企業の行動指針、企業の抽象的、理念的な目的規範、理想価値観などを意味する。

経営理念を通じて経営者は「この組織は何のために存在するか」といった基本的な考え方を理解関係者(ステークホルダー)に知らしめ従業員に対して行動や判断の指針を与える。

なお日本の企業の場合、社是や社訓の形で成文化されることが多いが創業者やその企業の発展に大きな功績を残した経営者が社内の訓示として残したものがインフォーマルに語り伝えられて社風や組織文化の形で形成される場合もある。

②経営ビジョン

経営ビジョンとは企業のトップマネジメントによって表明された、自社の望ましい未来像である。

経営理念で規定された経営姿勢や存在意義に基づき、ある時点までに「こうなっていたい」と考える到達点、つまり自社が目指す中期的なイメージを投資家や従業員、社会全体に向けて示したものである。

③経営行動基準

経営理念は内容が抽象的なことが多く具体的な行動指針となりにくい。

経営行動基準とは経営理念を行動指針として機能するように具体化したものである。

④ CI(コーポレートアイデンティティ)

CI とは経営理念に基づき、企業イメージや行動様式の統一化を図っていくことである。具体的には、社名の変更、イメージカラー、イメージマークの導入などにより展開されることが多い。
CI は社外的な効果のみならず共通した企業の存在意義を浸透させていくという社内的な効果もある。

⑤経営理念と経営戦略

企業戦略は階層別に企業戦略、事業戦略、機能戦略に別れる。
それぞれ検討すべき内容や役割は異なるが、 いずれのレベルでも経営理念や経営ビジョンとの一貫性、戦略レベル間での整合性を保つ必要がある。

企業戦略

企業戦略(成長戦略) は企業の製品・サービスと市場の組み合わせによる事業領域の決定に関わる全社的戦略である。
経営資源の配分をいかに行っていくか、また新規事業分野への参入や既存事業分野からの撤退を決定する戦略であり事業領域(ドメイン)、資源展開、事業間のシナジーが主要な戦略構成要素である。

事業戦略

事業戦略(競争戦略)は SBU(Stategic Business Unit:戦略事業単位)でいかに競争していくかに焦点を当て、各SBUでの具体的な事業活動を行うための戦略であり、資源展開と競争優位性が主要な戦略構成要素である。
なお、SBUとは特定の事業を中心として構成される戦略策定のための単位である。

機能戦略

機能戦略は購買、生産、営業、研究開発、財務、人事、情報システムなどの各機能の生産性を高めることに焦点を当てた戦略であり、資源展開、単一機能内のシナジーが主要な戦略構成要素となる。